料理コーナー

長野市調理師会技能指導部より
基本料理のアドバイス – 煮物いろいろ三方法 – その1

煮物は「だしをベースに調味料を加えて素材を煮込んだもの」
煮物は素材によって、さらにその時々の素材の状態によって煮る方法が違う。
大別して

1. 濃いめの味に煮る方法
2. 薄めの味に煮る方法
3. プラスアルファして煮る方法

の三方法に分けて記した。

1. 濃いめの味に煮る方法

○ 治部煮
主として鴨肉やとり肉の切り身に小麦粉あるいは片栗粉をまぶして煮たものである。酒にミリン、砂糖、醤油をいれて濃い味で煮る。
野菜と盛り合わせて汁を少々張る。あがりにおろしわさびを添えると相性がよい。

○ あら煮
魚の頭や中骨、かまの身などのあらを煮汁を少量残して照りよく煮上げたもの鯉のあら煮がその代表である。
酒、砂糖、醤油を入れ煮つめる。
みりんを加えた場合は砂糖をひかえめにすること。

○ 旨煮(甘煮)
ヤツガシラ、タケノコ、ゴボウ、ニンジン、などの野菜をそれぞれ煮上げたもので照りがある。煮上げたものを煮返してから食べる。
煮汁を一割弱程度残して煮上げる。

○ 煮しめ
旨煮と同様に野菜類を主体に濃いめの味に煮上げる。旨煮のように甘みは強くなく照りもない。煮しめは冷めたものを食べるのが前提。煮汁を作りその中に野菜を一種類ごとに入れて別々に煮る。最初はシイタケ、昆布など旨みのあるものから。そしてゴボウ、レンコンなど旨みのあるものからそしてゴボウ、レンコンなど旨みの少ないものはあとから。

2. 薄めの味に煮る方法

○ 煮付け
魚介類一般を煮ることができる。
魚介の旨みを煮汁に抽出させ、魚介に火を通しながら再び魚全体に含ませるように煮る。だしは使わない。調味料をすべて合わせておき霜降りした身の薄い魚をさっと煮るのが一般的で火が通ればよい。

○ 芝煮
主にエビ類、川エビや車海老を使う。キス、小ガレイ、ハモの場合もある。
八方地はだしと酒を中心に、少量の薄口醤油、ミリン、あるいは砂糖で味付けし、さっぱりとした味で食べる。芝浦に江戸前の魚があがったころ、獲れたての魚介をさっと煮て出したことに由来する。

○ 桜煮
タコを柔らかく桜色の色出しをして煮る煮かたが桜煮
最初に水と酒の中の中で柔らかくなるまで煮、あとで砂糖、醤油で味を付ける。

○ 揚げ煮
油で揚げてから、だしと薄口(濃口)醤油の八方地で煮ていく方法。サバ、その他豆腐でも作ることが多い。淡泊な素材に、若干こってりした味を付けるのに効果的である。

3. プラスアルファして煮る方法

○ みそ煮
アジ、サバ、イワシなどの背の青い魚を味噌味を主体にして煮る方法。魚はあらかじめ酒と水で煮て火を通す。そこに味噌を酒と砂糖でときながら煮る。

○ おろし煮
大根おろしをあがりぎわに煮汁に合わせひと煮立ちさせる。
鳥、鴨、油で揚げた魚や厚揚げの煮物に利用されることが多い。

煮物いろいろ三方法 - その2は後日掲載予定です。

 

プロからのおすすめ料理 –
作り置きのできる牛肉料理三品
1. 牛肉の和風ロースト(前菜 刺身代わり 酢の物 サラダ 等)
1. 和牛モモ肉の脂、筋をきれいに取り適宜にサク取る。
2. 塩、胡椒(七味)をして10分程度置き、フライパンで表面を軽く焼く。
3. 醤油、砂糖、ワイン、ケチャップでたれを作り、袋に肉とたれを入れ真空(無い場合は、フリーザーパックに入れできるだけ空気を抜く)にして65度位の湯に40分湯煎してから流水で素早く冷やし、たれをきってからリードペーパーに包んで冷蔵庫で冷やす。(保管はペーパーをとり真空かラップに巻いて冷凍でも可)
2. 牛タンの味噌漬け(前菜 八寸 煮物 弁当 等)
1. 牛タンの皮付きの物はボイルして皮をむき、皮なしのものはそのまま、生姜、長ネギを入れた水から焼く50分煮て粗熱がとれるまで鍋留めし水分をとる。
2. 信州味噌に八丁味噌、麹、酒を合わせた床に牛タンを漬ける。
3. 丸のままであれば三日位、棚取りしたものであれば一日位で使えます。(保存は冷凍でも可)
3. 牛筋柔らか煮(先付け 煮物 蒸し物 等)
1. 牛筋は水から一度煮こぼし脂をきれいに取り適宜に切る。
2. 水(出汁)から煮て沸騰したら約10分後、塩、薄口で味をとりさらに15分程煮てから鍋止めとする。
3. 小分けをして煮汁と共に袋に入れ冷蔵庫保管。筋のみであれば煮こぼして切った状態で冷凍保存。

 

手軽に出来る料理
鮪とグリーン野菜サラダ仕立て                
1. 鮪皮下スジの部分を2~3センチに切り黒コショウ、岩塩にてなじませておく。
2. 茸・ズッキーニ・ベーコンはほど良く揚げておく。
3. 1.に小麦粉をまぶしバターソテーする。(あまり焼きすぎないこと)
4. 2.3.を盛り付け、その上にグリーン野菜、カリカリベーコン・白ゴマをかけドレッシングにて食す。
  ☆ (ドレッシング)
酢1、サラダオイル3、塩、コショー、ワサビ、白ゴマ、醤油各少々にて合わせる。
  ◎この料理は鮪皮下の脂がのっているスジを利用することがポイントです。

 

咄嗟の一品と仕込み料理 – 湯本忠仁(日本料理研究会師範)
料理は食べてくださるお客様のためにあり。おもてなしは料理人の知識、技術、感性を生かすことにより成り立っています。
咄嗟の一品(一)
大和芋の揚げしおろしあん
材 料
大和芋、練り雲丹、 大根、根生姜、 玉子、片栗粉、 かつお出し汁、 醤油、味醂、塩

大和芋400gをすりおろし、雲丹50gと混ぜ、一口大の丸に取り、溶き卵を付けて150度の油の中にいれ、色が付かない程度に3分くらいで取り出し油切りをする(しっとり感を残すため、この時の中心は生状態がよい)。

おろしあんは、かつお出し汁500cc、ほんの少々の醤油(旨味をつけるだけ)、味醂大匙3、塩5gで味を調え、一煮立ちさせ、水溶き片栗粉でとろみをつける(あとで大根卸し200gが入るので、とろみは強めがよい)。

 器に先の大和芋を盛り、生姜の卸し汁をかける(大和芋の丸にだけ生姜の味を付けるのが目的で、おろしあんは大根の味をそのままに食べて頂きたいため)。この上に大根卸しのあんをかけてすすめる(食感がもちもちしていて、おろしあんはとろりとヘルシーに食べられる一品です)。

咄嗟の一品(二)
穴子の土佐まぶし 削り節
材 料
穴子、削り節、 油、片栗粉、出汁、醤油、砂糖

穴子を適宜に包丁し、片栗粉をまぶして油で揚げる。後出汁200cc、醤油大匙2、砂糖大匙2を合わせたタレ(非加熱)に漬け、すぐにタレを切り、サッと空煎りした削り節をまぶす。

咄嗟の一品(三)
冬瓜と鯛のレモン漬け 梅肉
材 料
冬瓜、鯛、レモン、辛子、梅肉、塩、酢、昆布、水、味醂

冬瓜の皮を厚く剥いて短冊に切り、塩酢にレモン、昆布、溶き辛子を合わせたものに漬けておく。鯛は刺身のごとくそぎ身とし、冬瓜と同様に塩酢に約10分漬ける。後、塩酢をかるく絞り、鯛と冬瓜を器に盛り、天に梅肉をあしらう。

塩酢は、水200cc、塩大匙1、酢大匙2、味醂大匙2、レモン半月切りスライス8枚、昆布約5cm一枚を合わせる。

仕込みの一品(一)
平目の笹〆 黄身醤油仕立
材 料
平目、出汁昆布、笹、塩、卵黄

平目をお造りのごとくそぎ身にし(食べごたえのあるように5mmの厚さとする)、昆布〆にする。後、笹の葉に一人前づつ並べ、さらに重石をかける。笹のまま器に盛りつけ、塩酢に漬けた巻き妻をあしらい、黄身醤油にてすすめる。

黄身醤油は、卵黄を醤油と焼酎同割の中に一晩漬けてから裏漉しし、卵黄10個分に醤油50cc、煮切り味醂100cc、梅肉30gを合わせ、三日間冷蔵庫でねかす。

仕込みの一品(二)
荏胡麻豆腐西京漬
材 料
荏胡麻、タピオカ、吉野葛、大根、西京味噌、醤油、ゼラチン

吉野葛の使用量の30%のタピオカ粉を混ぜ、胡麻豆腐を作る要領で練り上げ、荏胡麻豆腐を作る(食感は通常の胡麻豆腐よりしっとり感があります)。

後、適宜に切り分け、布に挟み、西京味噌を煮きり酒でのばしたものに12時間漬ける。布で回りの水分を押さえてから、薄塩をした大根卸しにゼラチンを加えたもので一つ一つ包んで寄せる(漬床は西京味噌に醤油を加えてあります。

荏胡麻豆腐と甘めのみそは特に相性がよく、素朴な一品になるとおもいます)。

仕込みの一品(三)
食味代わり 味噌茶漬け
むらさき米  野菜の焼味噌

むらさき米のご飯をおむすびにし、野菜の焼味噌をのせ、冷茶をかける。
野菜の焼味噌は、豆、麦、板粕、椎茸、生姜、荏胡麻と田舎味噌を合わせて焼く(冷たくして食べる茶漬けは、味噌の香りを楽しんでいただける一品です)。